種類株主総会とは?必要となる場面・決議要件・手続を司法書士が解説

監修:司法書士法人LSO 代表社員 金光康太

結論
種類株主総会とは、種類株式発行会社において、特定の種類の株主だけを構成員として行う総会です。種類株式を発行していれば常に必要となるわけではありませんが、会社法や定款が定める場面、または今回の行為が特定の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場面では、通常の株主総会とは別に種類株主総会の決議が必要となることがあります。必要な決議を欠くと、増資、定款変更、組織再編などが効力を生じない場合があります。現在の定款、発行済みの各種類株式の内容、株主構成、予定している行為を一体として確認することが重要です。

こんにちは。司法書士の金光です。

「優先株式で調達するのに、株主総会だけでは足りないと言われた」「定款に種類株主総会を要しないと書いてあるので不要だと思っていた」というご相談をいただくことがあります。

今回は、種類株主総会が必要となる場面、決議要件、手続の流れを整理します。定款の「不要規定」が、どの条文のどの行為までをカバーするのかという、実務で最も間違いやすい点も取り上げます。

種類株主総会とは?

種類株主総会とは、ある種類の株式を保有する株主だけで構成される株主総会です。

たとえば、普通株式とA種優先株式を発行している会社では、会社全体の株主が参加する通常の株主総会とは別に、普通株主を構成員とする種類株主総会や、A種優先株主を構成員とする種類株主総会が問題となることがあります。

種類株主総会は、種類株主が会社全体の意思決定から不利益を受けることを防ぎ、各種類株式に付された権利を保護するための仕組みです。一方で、種類株主総会が独立して何でも決められるわけではありません。会社法第321条は、種類株主総会が決議できる事項を、会社法に規定する事項と定款で定めた事項に限定しています。

通常の株主総会との違い

通常の株主総会と種類株主総会は、構成員と決議の目的が異なります。

通常の株主総会と種類株主総会の比較

比較項目 通常の株主総会 種類株主総会
構成員 原則として会社の株主全体 特定の種類の株主
主な役割 会社全体として重要事項を決定する 特定の種類株主の権利や利益を保護する
決議できる事項 会社法または定款で株主総会決議を求められる事項 会社法に規定する事項または定款で定めた事項

一つの行為について、通常の株主総会と一つ以上の種類株主総会が必要となることがあります。種類株主総会は、通常の株主総会の代わりに行うものではありません。たとえば、新しい種類株式を追加するために定款を変更する場合、通常の株主総会の特別決議に加えて、既存の種類株主を保護するための種類株主総会が必要となることがあります。

普通株式も「一つの種類」です。優先株式を発行した後は、普通株主だけを構成員とする種類株主総会が必要になる場合があります。「優先株主だけの会議」と考えると、普通株主側の決議を見落とすことがあります。

種類株式を発行していれば、毎回必要になるのか

種類株式発行会社であっても、すべての意思決定について種類株主総会が必要となるわけではありません。

必要性は、主に次の四つを確認して判断します。

  • 会社法が、その行為について種類株主総会の決議を求めているか
  • 定款に、特定の種類株主総会の決議を必要とする定めがあるか
  • 今回の行為が、ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるか
  • 定款に、一定の種類株主総会を不要とする有効な定めがあるか

同じ「増資」であっても、普通株式だけを発行している会社と、複数の優先株式を発行している会社とでは、必要な決議が異なることがあります。また、同じ会社でも、発行する株式の種類や条件によって結論が変わります。

そのため、資金調達・資本政策の手続では、発行要項だけでなく、現行定款、履歴事項全部証明書、株主名簿、過去の投資契約書等を確認したうえで、決議機関を整理する必要があります。

種類株主総会が必要となる主な場面

種類株主総会が問題となる代表的な場面は、会社法第322条による種類株主の保護、譲渡制限株式等の募集、定款で定めた拒否権の行使です。

1.ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合

種類株式発行会社が会社法第322条第1項に掲げる行為を行い、ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、原則として、その種類の種類株主総会の決議が必要です。

対象となる行為には、次のようなものがあります。

  • 株式の種類の追加、株式の内容の変更、発行可能株式総数または発行可能種類株式総数の増加に関する定款変更
  • 株式の併合、株式の分割
  • 株式無償割当て、新株予約権無償割当て
  • 募集株式または募集新株予約権の株主割当て
  • 合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転、株式交付

重要なのは、会社法第322条の対象行為に該当するだけで直ちに決議が必要となるのではなく、さらに「ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるか」を検討する点です。

2.譲渡制限のある種類株式を募集するとき

譲渡制限株式である種類株式を募集する場合には、募集事項の決定について、原則として、その種類の種類株主総会の決議が必要です(会社法第199条第4項)。募集新株予約権の目的である株式が譲渡制限株式である場合も同様です(会社法第238条第4項)。

ただし、いずれの条文にも、当該種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合と、その種類株主総会で議決権を行使できる種類株主が存在しない場合の例外が置かれています。

3.定款で種類株主総会の承認事項を定めている場合

会社法第323条に基づき、ある事項について、株主総会や取締役会の決議に加えて、特定の種類株主総会の決議を必要とする内容を、株式の内容として定款に定めることができます。

これは、いわゆる拒否権付種類株式の仕組みです。たとえば、一定額以上の借入れ、重要な資産の処分、新株発行、組織再編などについて、特定の種類株主総会の承認を必要とする設計が考えられます。

具体例|新しいB種優先株式を追加して資金調達する場合

普通株式とA種優先株式を発行している会社が、新たにB種優先株式を追加して投資家へ発行するケースで考えます。

前提

  • 現在の発行済株式:普通株式とA種優先株式
  • 今回の調達:B種優先株式を新設し、第三者割当で発行
  • B種優先株式には、A種優先株式と異なる残余財産分配の優先順位等を設定

この場合、少なくとも次の事項を順番に検討します。

  1. B種優先株式を追加する定款変更について、通常の株主総会の特別決議が必要か
  2. B種優先株式の追加が、普通株主またはA種優先株主に損害を及ぼすおそれがあるか
  3. 損害を及ぼすおそれがある種類について、会社法第322条の種類株主総会が必要か
  4. 定款に、種類株主総会を不要とする定めや、別途承認を求める定めがあるか
  5. 募集事項をどの機関で決定し、加えてどの種類株主総会の決議が必要か

たとえば、B種優先株式の優先順位がA種優先株式より上位となる設計であれば、A種優先株主に不利益が生じる可能性を慎重に確認する必要があります。また、普通株主についても、議決権や経済的権利への影響を検討します。

このように、一回の資金調達でも、通常の株主総会、普通株主の種類株主総会、A種優先株主の種類株主総会、取締役会など、複数の決議が必要となることがあります。

優先株式の条件について、どの種類株主に法的な「損害を及ぼすおそれ」があるかは、定款内容と取引条件に即した判断が必要です。登記手続の前提となる機関決定は当事務所で確認しますが、投資条件の交渉、当事者間の利害調整、法的意見の作成が必要な場合は、弁護士へのご相談をお願いすることがあります。

「損害を及ぼすおそれ」は、何を見て判断するのか

実際に損害が発生したかではなく、予定している行為によって、特定の種類株主の権利や経済的地位が不利益を受ける可能性があるかを検討します。

確認するポイントは行為の内容によって異なりますが、たとえば次のような事項です。

  • 配当や残余財産分配の優先順位が実質的に下がらないか
  • 取得請求権、取得条項、転換条件などの価値に影響しないか
  • 議決権割合が希薄化し、種類株主としての影響力が低下しないか
  • 株式分割や併合の比率により、特定の種類だけが不利にならないか
  • 合併等の対価や割当てが、種類間で不均衡にならないか
  • 新設される種類株式が、既存の優先株式より上位または有利な内容になっていないか

「種類株式の内容を直接変更していないから不要」とは限りません。新しい種類株式の追加や組織再編により、既存の権利が相対的に弱くなる場合もあるためです。

反対に、会社法第322条第1項に列挙された行為であっても、当該種類株主に損害を及ぼすおそれがないと整理できれば、同項に基づく種類株主総会が不要となる場合があります。ただし、その結論とは別に、会社法の他の条文や定款により種類株主総会が必要でないかを確認します。

定款で種類株主総会を不要にできるのか

すべての種類株主総会を一括して不要にすることはできません。「種類株主総会の決議を要しない」という定款規定には、条文ごとに異なる適用範囲があります。

会社法第322条の種類株主総会を不要とする定め

会社法第322条第2項により、ある種類の株式の内容として、同条第1項の種類株主総会の決議を要しない旨を定款で定めることができます。これは、同項に列挙された行為によって当該種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合に必要となる、種類株主保護のための決議を排除する定めです。

ただし、同条第3項ただし書により、この定めがあっても、次の定款変更(単元株式数についてのものを除きます)を行う場合には、種類株主総会を省略できません。

  • 株式の種類を追加する定款変更
  • 株式の内容を変更する定款変更
  • 発行可能株式総数または発行可能種類株式総数を増加する定款変更

また、ある種類の株式の発行後に定款を変更して同条第2項の定めを設けようとするときは、その種類の種類株主全員の同意が必要です(同条第4項)。

募集株式・新株予約権については、別の定款規定を確認します

譲渡制限のある種類株式を募集するときは会社法第199条第4項、譲渡制限株式を目的とする新株予約権を募集するときは会社法第238条第4項により、原則として当該種類の種類株主総会が必要です。

これらの条文には、それぞれ「当該種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き」という文言が置かれています。つまり、これらの決議を不要とするには各条文に対応した定款の定めが必要であり、会社法第322条の種類株主総会を不要とする定めだけでは足りません。

たとえば、定款に「会社法第322条第1項の種類株主総会の決議を要しない」と定めていても、次の結論は同じではありません。
・新たにB種株式を追加する場合:A種株主に損害を及ぼすおそれがあれば、同条第3項ただし書により、A種種類株主総会は省略できません。
・譲渡制限のあるA種株式を追加発行する場合:会社法第199条第4項に対応する別の不要規定がなければ、A種種類株主総会が必要です。

したがって、定款に「種類株主総会を要しない」と書かれているかだけでは判断できません。どの条文の、どの種類の株主による、どの行為についての決議を不要としているのかを確認する必要があります。

種類株主総会の決議要件

決議要件は一律ではなく、議案の内容に応じて普通決議、特別決議、特殊決議に分かれます(会社法第324条)。

種類株主総会の決議要件(会社法第324条)

区分 定足数 可決要件 主な場面
普通決議
(1項)
その種類の総株主の議決権の過半数を有する株主の出席。定款で別段の定めが可能 出席した株主の議決権の過半数 特別決議等が求められていない事項
特別決議
(2項)
議決権を行使できる株主の議決権の過半数。定款で3分の1以上まで引下げ可能 出席した株主の議決権の3分の2以上。定款で加重可能 会社法第322条第1項、譲渡制限株式の募集等
特殊決議
(3項)
議決権を行使できる株主の半数以上(頭数)であって、その株主の議決権の3分の2以上。いずれも定款で加重可能 株式に譲渡制限の定めを設ける定款変更に係る種類株主総会、合併等に係る会社法第783条第3項・第804条第3項の種類株主総会

上表は会社法上の原則です。定款に定足数や決議割合の別段の定め、特別の議決権設計が置かれている場合は、その定款も確認します。また、議案によっては種類株主全員の同意が必要となることがあります。

招集・開催・書面決議の考え方

種類株主総会には、株主総会に関する会社法上の手続の多くが準用されます(会社法第325条)。

そのため、原則として、招集の決定、招集通知、議決権行使、代理人による出席、議事録の作成などを行います。通知期限や通知方法は、公開会社か非公開会社か、取締役会設置会社か、定款にどのような定めがあるかなどによって異なるため、予定日から逆算して確認します。

また、会社法第319条の決議の省略(書面決議)の仕組みも、第325条により種類株主総会に準用されます。取締役または株主が議案を提案し、その事項について議決権を行使できる種類株主全員が書面または電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、種類株主総会の決議があったものとみなされます。

種類株主が1名でも、決議が不要になるわけではありません。その1名の種類株主による決議または書面同意を、会社法と定款に沿った形で記録します。

通常の株主総会と種類株主総会を同日に行うことは可能ですが、それぞれ構成員、議決権、決議要件が異なります。議事録や書面同意書では、どの会議体の決議であるかを明確に区別します。

種類株主総会を行うまでの手続の流れ

  1. 予定している行為を確定する
    新株発行、定款変更、株式分割、組織再編など、何を、いつ、どの条件で行うのかを整理します。条件が未確定であれば、複数案について必要決議を検討します。
  2. 現行定款と登記簿を確認する
    発行可能株式総数、発行可能種類株式総数、各種類株式の内容、譲渡制限、拒否権、役員選任権、種類株主総会を不要とする定めなどを確認します。
  3. 株主名簿と種類別の議決権を確認する
    基準日時点で、各種類の株主が誰であり、何株・何個の議決権を保有しているかを確認します。種類株式の取得や転換が途中で行われている場合は、株主名簿の更新状況にも注意します。
  4. 必要な会議体と決議要件を整理する
    通常の株主総会、各種類株主総会、取締役会など、必要な機関決定を一覧化し、普通決議・特別決議・特殊決議・全員同意のいずれかを確認します。
  5. 招集または書面決議を行う
    開催方式の場合は招集手続を行い、書面決議の場合は提案書と同意書を準備します。複数の種類株主総会が必要な場合は、種類ごとに手続します。
  6. 議事録・株主リスト・登記書類を作成する
    決議内容を議事録等に記録し、登記が必要な行為については、登記申請書、株主リスト、委任状その他の添付書類との整合性を確認します。

主な必要書類

必要書類は行為の内容によって変わりますが、種類株主総会そのものに関しては、次の資料を準備・確認します。

  • 現行定款
  • 履歴事項全部証明書
  • 株主名簿または種類別の株主・議決権が分かる資料
  • 種類株主総会の招集決定書類
  • 種類株主総会招集通知
  • 委任状、議決権行使書等
  • 種類株主総会議事録
  • 書面決議とする場合の提案書・同意書
  • 登記申請に添付する対象種類の株主リスト
  • 投資契約書、株主間契約書その他の事前承諾条項を確認できる資料

資金調達では、これらに加えて、発行要項、総数引受契約書、払込証明書、資本金計上証明書などを作成します。新株予約権を発行する場合は、ストックオプション(新株予約権)発行手続に必要な書類も別途確認します。

登記の要否・期限・登録免許税

種類株主総会を開催したこと自体は登記事項ではありませんが、その決議の対象となった行為が登記事項であれば登記が必要です。

たとえば、次のような場合には登記が生じることがあります。

  • 新しい種類株式の追加や種類株式の内容変更に伴う定款変更
  • 発行可能株式総数または発行可能種類株式総数の変更
  • 募集株式の発行による発行済株式総数・資本金の増加
  • 株式分割、株式併合
  • 合併、会社分割、株式交換等の組織再編

登記事項に変更が生じた場合は、原則として効力発生日から2週間以内に変更登記を申請します(会社法第915条第1項)。登録免許税は、増資、定款変更、組織再編など、実際に行う登記の種類に応じて計算され、種類株主総会そのものについて独立した登録免許税が課されるわけではありません。

また、登記すべき事項について種類株主総会の決議を要する場合には、登記申請の添付書面として、当該種類株主についての株主リストが必要です(法務省「株主リスト」が登記の添付書面となりました)。

具体的な報酬や登録免許税については、種類株式による増資の料金をご確認ください。

実務上の注意点

投資契約上の事前承諾と、会社法上の決議は別です

投資契約書や株主間契約書に、投資家の事前承諾事項が定められていることがあります。しかし、その承諾を得たことだけで、会社法上必要な株主総会や種類株主総会の決議に代わるわけではありません。

反対に、会社法上の決議が完了していても、契約上の事前承諾や通知を欠けば、契約違反となる可能性があります。創業株主間契約とはもあわせてご覧いただき、会社法上の機関決定と契約上の手続を分けて管理してください。

定款だけでなく、過去の変更履歴も確認します

現在の定款に種類株式の条項があっても、過去の定款変更や種類株主総会が適切に行われていたか、登記内容と一致しているかが問題となる場合があります。特に、複数回の資金調達を経てA種、B種、C種と種類が増えている会社では、最新版の定款だけでなく、過去の株主総会議事録、種類株主総会議事録、発行要項も確認します。

「全株主が賛成している」だけでは書類を省略できません

全員が実質的に賛成している場合でも、どの立場で、どの議案に同意したのかを明確にする必要があります。通常の株主としての同意と、A種優先株主としての同意は、法的な会議体が異なります。書面決議を利用する場合も、会議体ごとに提案と同意を整理します。

クロージング直前の発覚を避けます

種類株主総会が必要であることが払込日やクロージング直前に判明すると、招集期間、投資家の社内承認、押印回収などのため、スケジュールを変更せざるを得ないことがあります。条件が固まり始めた段階で、先に会議体と必要書類を確認することが重要です。

株価評価、発行価額の税務上の妥当性、優先株式の会計処理については、当事務所では判断していません。税務は税理士、会計は公認会計士等へご相談ください。

司法書士として実際に確認しているポイント

確認するのは、根拠・対象・排除・順序・整合の5点です。

  • 根拠――会社法第199条、第238条、第322条、第323条等の、どの規定による決議か
  • 対象――普通株主、A種株主、B種株主のうち、誰の決議が必要か
  • 排除――定款の不要規定が、その条文・種類・行為を正確にカバーしているか
  • 順序――株主総会、種類株主総会、取締役会をどの順に行い、いつ効力を生じさせるか
  • 整合――定款、発行要項、議事録・同意書、株主リスト、登記申請書が一致しているか

特に、会社法第322条第2項の不要規定と、第199条第4項・第238条第4項の不要規定は別物です。ここを混同しないことが、手続漏れを防ぐ要点です。

よくあるご質問

種類株式を発行している会社は、毎回種類株主総会が必要ですか。

いいえ。会社法または定款が種類株主総会を求める場面か、特定の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるかなどを、行為ごとに判断します。

普通株主だけの種類株主総会が必要になることはありますか。

あります。会社が普通株式と優先株式を発行する種類株式発行会社となった後は、普通株式も一つの種類として扱われます。新しい優先株式の追加などにより普通株主に損害を及ぼすおそれがある場合は、普通株主の種類株主総会が問題となります。

種類株主が1名しかいない場合も、種類株主総会の手続は必要ですか。

必要な決議事項であれば、株主が1名でも決議を省略できるわけではありません。ただし、その1名が議案に書面で同意し、書面決議とする方法を利用できることがあります。

投資家全員から承諾書をもらえば、種類株主総会議事録は不要ですか。

承諾書の内容と法的な位置づけによります。会社法第319条・第325条に基づく決議の省略として要件を満たす場合は、実開催の議事録に代わる書類を作成できますが、単なる契約上の承諾書だけでは会社法上の決議を満たさないことがあります。

種類株主総会はオンラインで開催できますか。

会議への参加方法や開催方法は、会社法、定款、会社の機関設計、本人確認や双方向性の確保などを踏まえて検討します。全員の同意が得られる場合は、書面決議の方が手続を明確に整理しやすいこともあります。

種類株主総会を開いたら、必ず登記が必要ですか。

種類株主総会の開催自体は登記事項ではありません。定款変更、増資、株式分割、組織再編など、決議の対象となった行為により登記事項が変更される場合に登記が必要です。

定款に「種類株主総会を要しない」とあれば、すべて省略できますか。

できません。会社法第322条第2項の定めがあっても、株式の種類の追加、株式の内容の変更、発行可能株式総数等の増加に係る定款変更については、同条第3項ただし書により省略できません。また、譲渡制限株式の募集に関する第199条第4項・第238条第4項の決議を不要とするには、それぞれに対応した定款の定めが別途必要です。

種類株主総会のまとめ

  • 種類株主総会は、特定の種類株主だけを構成員とする総会です
  • 種類株式発行会社であっても、すべての行為で必要となるわけではありません
  • 会社法、定款、特定の種類株主に損害を及ぼすおそれの有無を確認します
  • 通常の株主総会と複数の種類株主総会が、同じ取引で必要になることがあります
  • 定款の「不要規定」は、会社法第322条と第199条・第238条とで別々に確認します
  • 投資契約上の承諾と会社法上の決議は、別々に確認します
  • 決議を欠くと行為が効力を生じない場合があるため、資金調達や組織再編の早い段階で確認することが重要です

本文の主な根拠は、会社法第321条(種類株主総会の権限)同第322条(ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合の種類株主総会)同第323条(種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合)同第324条(種類株主総会の決議)同第325条(株主総会に関する規定の準用)同第199条第4項同第238条第4項同第319条同第915条第1項、および法務省「株主リスト」が登記の添付書面となりましたです。

当事務所では、会社法上の決議機関の整理から、株主総会・種類株主総会の書類作成、増資や定款変更等の登記まで取り扱っています。必要な種類株主総会が分からない段階でも、現行定款、登記簿、株主名簿、予定している取引条件を確認し、必要な機関決定と登記手続を整理します。まずは資金調達・資本政策の業務案内をご覧いただき、司法書士法人LSOへご相談ください。

監修者

司法書士法人LSO 代表社員 司法書士 金光 康太

会社設立、資金調達、種類株式、新株予約権・ストックオプション、株主総会、M&A・組織再編等の商業登記・企業法務を取り扱っています。IPO・内部統制実務士、バトンズ認定M&Aアドバイザー、smartroundアドバイザー。

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※本コラムの内容は掲載時点の法令等に基づいています。法律や制度は改正されることがあり、個別の案件では事情により結論が異なる場合があります。