休眠会社のみなし解散の通知が届いたら|令和8年(2026年)は12月15日までに届出か登記を

休眠会社のみなし解散の通知が届いたら 令和8年(2026年)は12月15日までに届出か登記を
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結論

最後の登記から12年がたった株式会社は、営業を続けていても、解散したものとして扱われることがあります。国(法務大臣)が官報で公告してから2か月以内に、「まだ事業を廃止していない」旨の届出も、必要な登記もしなかった場合です(会社法472条1項)。いわゆる有限会社(特例有限会社)は対象外です。

令和8年度は、令和8年(2026年)10月15日(木)に公告がありました。法務省は、令和8年(2026年)12月15日(火)までに必要な登記(役員変更等)の申請か届出をするよう案内しており、どちらもしなかった会社は、12月16日(水)付けで解散したものとみなされます。

届出をすればその年度のみなし解散は避けられますが、必要な役員変更などの登記をしない限り、翌年度も、法務局が毎年行う休眠会社の整理作業の対象になります。

1.休眠会社のみなし解散とは|最後の登記から12年が基準

休眠会社のみなし解散は、長い間登記がされていない株式会社を、法務大臣の公告と2か月の期間を経て解散したものとみなす制度で、次の会社法472条1項・2項に定められています。

会社法472条1項・2項(休眠会社のみなし解散)

1 休眠会社(株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠会社に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその本店の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。ただし、当該期間内に当該休眠会社に関する登記がされたときは、この限りでない。

2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠会社に対し、その旨の通知を発しなければならない。

出典:e-Gov法令検索|会社法472条

条文のとおり、休眠会社にあたるかどうかは、会社に関する登記が最後にあった日から12年を経過したかで決まります。営業をしているか、売上があるか、税務申告をしているかは基準になっていません。役員変更・本店移転・商号変更など、どの種類の登記であっても、最後にされた登記の日から12年を数えます。

また、2項のとおり、公告があると登記所から会社に通知が送られますが、1項は通知が届くことを解散の要件にしていません。法務省も、通知書が届かなくても、期限までに届出か登記をしなければみなし解散になると案内しています。全国の法務局では、この手続を「休眠会社・休眠一般法人の整理作業」として毎年行っています。

なお、いわゆる有限会社(特例有限会社)には、会社法472条は適用されません(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律32条)。この記事では、特例有限会社以外の株式会社について説明します。

自社の最後の登記の日は、登記事項証明書(登記簿謄本)で確認できます。

2.取締役の任期が10年の会社は、改選の登記を一度忘れると対象になりやすい

12年も登記をしていない会社は少ないように思えますが、取締役の任期を10年にしている会社では、改選の登記を一度忘れるだけで、最後の登記から12年に達することがあります。原則の2年の任期の会社と比べて、登記をする機会が少ないためです。

取締役の任期は、原則として、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです(会社法332条1項)。ただし、非公開会社(監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社を除きます)は、定款で、この任期を選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸ばすことができます(同条2項)。

任期が満了したときは、同じ人を再び選任した場合(重任)でも、役員の変更の登記が必要です。変更の登記は、変更が生じた時から2週間以内に申請しなければなりません(会社法915条1項)。

3月決算の非公開会社が、定款で取締役の任期を10年にしていて、取締役を選任して就任の登記をしたあと、一度も登記をしていない場合を例にすると、次のようになります。

日付 できごと 最後の登記
平成26年(2014年)
6月25日
定時株主総会で取締役を選任 ―
平成26年(2014年)
7月1日
取締役の就任の登記 この日が最後の登記
令和6年(2024年)
6月25日
この日に開いた定時株主総会の終結の時に任期が満了。同じ人を再び選任したが、重任の登記をしていない 平成26年(2014年)7月1日のまま
令和8年(2026年)
10月15日(木)
最後の登記から12年を経過しているため、令和8年度の整理作業の対象になる 平成26年(2014年)7月1日のまま

この例の会社は、令和6年(2024年)6月25日の定時株主総会から2週間以内に重任の登記をしていないため、登記の期限も過ぎています。任期がいつ満了するかの数え方は、取締役の任期はいつまで?「定時株主総会の終結の時まで」の意味と10年任期の数え方で詳しく解説しています。

3.令和8年度の日程|12月15日(火)までに届出か登記

令和8年度の対象は、令和8年(2026年)10月15日(木)の時点で、最後の登記から12年を経過している株式会社です。法務省が公表している日程は、次の表のとおりです。

日付 できごと
令和8年(2026年)
10月15日(木)
法務大臣が官報で公告し、同じ日に登記所から対象の会社へ通知書が発送されました。
令和8年(2026年)
12月15日(火)
「まだ事業を廃止していない」旨の届出、または役員変更などの必要な登記の申請の期限です。
令和8年(2026年)
12月16日(水)
期限までに届出も登記もしなかった会社は、この日付で解散したものとみなされ、登記官が職権で解散の登記をします。

出典:法務省|令和8年度の休眠会社等の整理作業(みなし解散)について

通知書が届かない場合

法務省は、通知書が届かない理由の一つとして、商号や本店の変更の登記がされていないことを挙げています。この場合は、12月15日(火)までに変更の登記を申請すれば、届出をしなくても対応できます。

通知書の見本

登記所から送られる通知書は、法務省が公表している次の見本のような書面です。上段が通知の本文と公告の要旨で、下段が「まだ事業を廃止していない」旨の届出書になっています。届出書の下には、届出の期限や記載のしかたについての注意書き(注1〜5)があります。

法務省が公表している休眠会社の通知書の見本。上段に通知の本文と公告の要旨、下段に届出書と注意書きがある
出典:法務省ウェブサイト(令和8年度の休眠会社等の整理作業(みなし解散)について)掲載の「管轄登記所からの通知書の例」(PDF)を、画像に変換し余白を除いて掲載。日付や宛先が空欄の見本で、実際に届く通知書とは記載が異なります。画像を押すとPDFが開きます。

4.通知が届いたときの対応|登記をするか、届出をするか

法務省は、通知が届いた会社に、12月15日(火)までに必要な登記(役員変更等)の申請か、「まだ事業を廃止していない」旨の届出のどちらかをするよう案内しています。状況ごとの対応の目安は、次の表のとおりです(会社の状況によっては、ほかの手続が必要になることもあります)。

会社の状況 行うこと
任期満了の時に、選任の決議をしていた その決議にもとづいて、重任の登記を申請
任期満了のあと、選任の決議をしていない 株主総会で取締役を選任し、退任と就任の登記を申請
当時の決議の有無が分からない 議事録などで確認し、上の2つのどちらかの手続をする
本店や代表者の住所が変わったのに、登記をしていない 本店移転や住所変更の登記を申請(届出をする場合は、届出書に登記簿の内容を書く)
期限に間に合わないおそれがあるとき12月15日(火)までに登記の申請が間に合わないおそれがあるときは、先に届出をして、そのあと選任や登記を進める方法があります。

選任の決議をしていた場合

株主総会の議事録などで、任期満了の時に同じ人を再び選任した決議を確認できれば、その決議にもとづいて重任の登記を申請します。登記の期限(2週間)を過ぎていても、登記簿には実際に重任した日が記録されます。

選任の決議をしていなかった場合

まず株主総会で取締役を選任します。選任したら、本来の任期満了の日を退任日とする退任の登記と、新たに選任した取締役の就任の登記をあわせて申請するのが一般的です。同じ人を選び直した場合も、重任にはなりません。

なお、任期の満了によって法律や定款で定めた取締役の員数を欠いていた場合、任期が満了した取締役は、後任の取締役が就任するまで取締役としての権利義務を持ち続けます(会社法346条1項)。この場合、退任の登記は、後任の取締役が就任するまで申請できません。

当時の決議の有無が分からない場合

議事録が見つからないことと、決議がなかったことは別の問題です。議事録が見つからない場合は、招集の通知や株主とのやりとりの記録なども手がかりに、実際に決議があったかを確認します。行っていない決議を、行ったことにして議事録を作ることはできません。

届出の方法と期限

届出は、通知書の下段にある届出書(第3章の見本を参照)に必要事項を書き、登記所へ郵送するか持参して行います。通知書を使えない場合は、法務省が示す事項(商号、本店、代表者の氏名と住所、代理人が届け出るときは代理人の氏名と住所、まだ事業を廃止していない旨、届出の年月日、登記所の表示)を記載した書面で届け出ます。

通知書の注意書き(注1)のとおり、届出書に記載する事項が登記簿に記録されている事項と合っていないときは、適式な届出として取り扱われません。本店を移転したり代表者が引っ越したりしていても、その登記をしていなければ、届出書には登記簿に記録されている本店や住所を書きます。期限までに本店移転や住所変更の登記を申請して対応することもできます。

また、注意書き(注2)には、「届出書は令和○年○月○日までに当庁に到着するように郵送又は持参してください。」とあります。期限までに登記所に到着している必要があるため、期限の日に郵送したのでは、通常は間に合いません。

出典:法務省|休眠会社・休眠一般法人の整理作業について/法務省|通知書の見本(PDF)

届出だけでは翌年度も対象になります
法務省は、届出をしても、必要な役員変更などの登記をしない限り、翌年度も整理作業の対象になると案内しています。

5.期限を過ぎてみなし解散となった場合|清算が終わる前で、みなし解散から3年以内なら会社を継続できる

期限を過ぎて解散したものとみなされても、会社がすぐに消えてなくなるわけではなく、株主総会の決議で会社を元の状態に戻す(継続する)ことができます。その条件を定めているのが、次の会社法473条です。

会社法473条(株式会社の継続)

株式会社は、第四百七十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合(前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、次章の規定による清算が結了するまで(同項の規定により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、株主総会の決議によって、株式会社を継続することができる。

出典:e-Gov法令検索|会社法473条

条文のとおり、みなし解散となった会社は、清算が結了する(清算の手続が終わる)前で、かつ解散したものとみなされた後3年以内であれば、株主総会の決議によって会社を継続できます。3年を過ぎた場合や、清算が結了した場合は、継続できません。

継続の決議は、株主総会の特別決議で行います(会社法309条2項11号)。

会社を継続したとき(法務省の案内では、継続の決議をしたとき)は、2週間以内に継続の登記をしなければなりません(会社法927条)。また、定款や株主総会で清算人を定めていない会社では、解散すると取締役が清算人になり(会社法478条1項1号)、この場合は、解散の日から2週間以内に、清算人の氏名や代表清算人の氏名・住所などを登記しなければなりません(会社法928条1項)。継続の登記とは、期限を数え始める日が異なります。みなし解散の登記がされると、取締役・代表取締役の登記や、取締役会を置く会社である旨の登記は抹消されますが(商業登記規則72条1項)、清算人は登記されません。そのため、継続の手続は、通常、次の流れになります。

  1. 株主総会で継続と役員の選任を決議

    会社を継続する旨の決議(特別決議)と、継続後の取締役などの選任をします。

  2. 継続の登記と、清算人・役員の登記を申請

    継続したときから2週間以内に、継続の登記を申請します。清算人・代表清算人の登記をまだしていないときは、その登記(本来の期限は解散の日から2週間以内)と、継続後の取締役などの就任の登記もあわせて申請します。取締役会を置く会社は、その旨の登記もあわせて申請します。

6.登記を怠っていた場合は過料のおそれもある

届出や登記でみなし解散を避けられても、それまで登記を怠っていた事実はなくなりません。

第2章で見たとおり、役員の重任などによる変更の登記は、変更が生じた時から2週間以内に申請しなければなりません(会社法915条1項)。この登記を怠ったときは、代表取締役など会社を代表する者が100万円以下の過料に処せられることがあります(会社法976条1号)。また、任期の満了によって取締役の員数を欠いたのに後任を選任していなかった場合は、選任の手続を怠ったとして過料の対象になることもあります(同条22号)。通知書の注意書き(注5)にも、届出又は登記がされた場合には、登記官が裁判所に対して過料事件の通知を行うため、裁判所で過料に処せられる可能性があると書かれています。

登記の期限と過料については、会社の変更登記を忘れていませんか?|登記義務・2週間の期限・過料で詳しく説明しています。

7.司法書士として実際に確認しているポイント

当事務所では、休眠会社の通知が届いた会社や、長く登記をしていない会社からご相談を受けたときは、できるだけ次のような点を確認するようにしています(会社によって、ほかの確認が必要になることもあります)。

1最後の登記の日と、いま登記されている内容

登記事項証明書で、最後の登記の日と、登記されている役員・本店・代表者の住所が今の状況と合っているかを確認するようにしています。届出書の記載は登記簿の記録と合っている必要があるためです。

2定款の任期と事業年度

定款で取締役の任期を何年にしているか、事業年度はいつからいつまでかを確認し、本来いつ任期が満了していたかを計算するようにしています。定款の変更で任期や事業年度を変えている会社もあるため、変更の経緯もあわせて確認することがあります。

3選任の決議があったかどうかと、その日付

議事録などで、任期が満了するたびに選任の決議があったか、いつ就任したかを確認するようにしています。決議があった場合となかった場合とで、必要な手続が変わるためです。

412月15日(火)までの日程

期限までに登記が間に合うかを見て、間に合わないおそれがあるときは、届出を先にする方法をご案内することがあります。その場合も、届出のあとに進める登記の段取りをあわせてお伝えすることが多いです。

当事務所の考え
通知が届いた会社は、届出だけで済ませるのではなく、これを機に役員の改選と登記を済ませておくことが望ましいと考えています。改選と登記を先延ばしにすると、登記を怠っている期間がさらに長くなるためです。

8.よくあるご質問

合同会社も、休眠会社のみなし解散の対象になりますか?

なりません。会社法472条1項は、休眠会社を「株式会社であって」最後の登記から12年を経過したものと定めているため、合同会社などの持分会社は対象外です。

みなし解散になったかどうかは、登記事項証明書で分かりますか?

分かります。期限までに届出も登記もしなかった会社について、登記官が職権で解散の登記をすると、登記事項証明書に解散したことが記録されます。12月16日(水)の直後は、まだ解散の登記がされていないこともあります。

9.まとめ|通知が届いたら12月15日(火)までに登記か届出を

  1. 基準は最後の登記から12年営業をしているかどうかではなく、会社に関する登記が最後にあった日から12年を経過したかで決まります(特例有限会社を除く株式会社が対象です)。
  2. 令和8年度の期限は12月15日(火)期限までに、役員変更などの必要な登記の申請か、届出をします。届出書は期限までに登記所に到着するように送り、記載は登記簿の記録と合わせます。
  3. 清算が終わる前で3年以内なら継続できる清算が結了する前で、かつ解散したものとみなされた後3年以内であれば、株主総会の特別決議で会社を継続でき、継続したときから2週間以内に継続の登記をします。

休眠会社の通知・役員変更登記のご相談

司法書士法人LSOでは、登記事項証明書・定款・議事録の確認から、重任などの役員変更登記、「まだ事業を廃止していない」旨の届出、みなし解散後の会社継続の手続まで対応しています。

お問い合わせ役員変更・各種変更登記

司法書士法人LSO 代表社員 司法書士 金光康太

執筆・監修

金光 康太(かなみつ こうた)

司法書士(司法書士法人LSO 代表社員)

大阪・梅田の司法書士。スタートアップ・ベンチャー企業の資金調達、種類株式、ストックオプション、M&A・組織再編、IPO準備に伴う商業登記を中心に取り扱っています。U30堺市起業家輩出プログラムSIPメンター(2024年度・2025年度)。

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本記事について

本記事は、2026年(令和8年)10月時点の会社法・会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律・商業登記規則と、法務省の公表資料(令和8年度の休眠会社等の整理作業の案内、通知書の見本)をもとに、司法書士法人LSOが、株式会社(特例有限会社を除きます)の休眠会社のみなし解散を整理したものです。日程は令和8年度のもので、令和9年度以降の日程は法務省の案内でご確認ください。個別の手続は、会社の定款や登記の状況によって異なります。

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