浮気相手に慰謝料を請求できる?

公開日: 2019.10.08

最終更新日: 2019.12.03

こんにちは

LSO総合司法書士事務所の沖中です。

 

今回は、浮気・不倫相手に慰謝料を請求できるのか?

についてお話しします。

 

もし、あなたの配偶者が浮気・不倫をしたとして、その相手に慰謝料を請求できるのか。

これは気になりますよね。

 

結論から言うと、浮気・不倫相手にも慰謝料を請求できます。

慰謝料を請求する相手は選ぶことができるのです。

 

ところで、あなたにとって浮気・不倫の境界線はどこからですか?

この基準は人によって全然違うと思います。

 

ここではあくまでも個人的な感想は抜きにして、一般的に裁判判決などで出された結論をもとにお話していきます。

  1. 01

    どこからが不貞行為?

    世間一般的にもあいまいなこの境界線の一つの基準として言われているのが

    「配偶者以外の異性と自分の意思に基づいて性的関係を持った場合」です。

     

    この認識を踏まえた上でも、微妙なラインってありますよね。

     

    風俗店に通うのはどうでしょうか?

    →これも厳密には不貞行為にあたります。

     

    酔っ払った勢いで、見知らぬ女性と一夜をともにした場合はどうでしょうか?

    →明らかに不貞行為な感じはしますよね。

    しかし、過去の裁判例では、慰謝料請求を棄却した事件も存在します。

    理由としては、それが偶発的に1回だけであり、相手も離婚を望まず反省しているというものでした。

     

    では、こんな場合はどうでしょうか。

     

    離婚前に付き合っていた恋人を思い続けている場合や、気になる異性と何度も食事を重ねているだけで肉体関係はないプラトニックな関係の場合

    →基本的には不貞行為にはあたりません。

     

    このようにはっきりとした境界線が定められていないと、あれは?これは?となってきます。

    どの程度の裏切り行為で、どの程度のダメージを受けるかは人によりけりですので、あくまで参考程度にご覧下さい。

  2. 02

    浮気・不倫とわかっていれば請求できる

    浮気・不倫相手に対する慰謝料請求は、その相手が浮気・不倫と分かっていながらあなたの配偶者と肉体関係を持った場合に限られます。

     

    夫婦には貞操を守る義務がありますので、既婚者と性的関係を持つ行為は、夫婦間の貞操を守る義務を一緒に犯すこととみなされるからです。

     

    しかし、相手が既婚者と知らなかった、あるいは離婚寸前という相手の言葉を信じたなどの場合は、浮気・不倫相手に不法性は認められないとして、責任は問われません。

     

    この立証はとても難しいです。

    つまり、浮気・不倫相手が反論してきても、「既婚者だと知るきっかけはあったはず」「夫婦関係は破綻していない」ことを言及すれば、慰謝料を請求できる可能性があります。

  3. 03

    慰謝料を請求する相手は誰?

    浮気・不倫をされた場合、誰に慰謝料を請求するかは自由に決めることができます。

    「配偶者に対してのみ」「浮気・不倫相手に対してのみ」「配偶者、浮気・不倫相手両方に対して」です。

    ただし、両方に対して請求する場合は、慰謝料全額を両方に対して請求することはできません。合計で全額になるように請求しなければなりません。つまり二重取りはできないということです。

     

    浮気・不倫相手にだけ慰謝料を請求する場合って?

     

    たとえば、あなたの配偶者の浮気・不倫が発覚したとして、それでも離婚はしないと決めた場合を想像して下さい。

     

    この場合で,配偶者に慰謝料を請求するメリットはないですよね?

    夫婦で財布を1つにしている家庭は少なくないと思います。夫に慰謝料を請求して一方から一方にお金が動いたところで夫婦間では何もかわらないです。

     

    他には、離婚をする前に慰謝料を請求するケースです。

    離婚する前なら財布はまだ一つのはずです。

     

    以上のような場合には、浮気・不倫相手だけに慰謝料を請求するのが賢いでしょう。

     

    そうすることで事の重大さを認識させ、責任を取らせることができます。

  4. 04

    浮気・不倫を発見したら・・・

    どうしようもない感情がこみ上げてくると思います。このときにあなたがとる行動によっては、将来あなた自身の首を絞めることになるかもしれません。

     

    つまり、浮気・不倫された側にも、注意すべきことがあるということです。

     

    浮気・不倫相手にしてはいけないこと

     

    浮気・不倫相手の身元を突き止めて、直接家や会社に出向いたり、電話で怒鳴るなどの行為はしてはいけません。

     

    感情的になってしまうのが通常ですが、ここはぐっとこらえて冷静になって下さい。

     

    というのも、もしあなたが感情のままに動いて相手に不適切な言動を取った場合、逆に相手から訴えられかねないからです。

     

    特に暴力を振るうなどということは絶対にないようにして下さい。

  5. 05

    浮気・不倫相手などの第三者への慰謝料請求は、手順が鍵

    第三者に慰謝料を請求する場合、まずは相手との話し合いが必要になります。しかし面と向かって慰謝料の話はしにくいですし、何よりも相手の顔さえ見たくないのが普通ではないでしょうか。

     

    そのような場合は、書面を作成して内容証明郵便で送る方法や、弁護士などの代理人を立てて、交渉するのがスムーズにいくと思います。

     

    相手が交渉に応じて慰謝料の支払いを承諾した場合は、金銭と支払方法、支払期限を決めて示談書に残しておきます。

    もし、分割払いにするのであれば、公正証書にしておくと安心です。

     

    交渉が決裂した場合は、裁判所に調停を申し立てるか、または裁判を起こすことになります。

    提訴する裁判所は決まっており、相手の住所地を管轄する簡易裁判所または地方裁判所になります。

     

    裁判ともなれば、話し合いだけでは済まず、有力な証拠をそろえる必要があります。

    どんな証拠が有利になるのかは、別の記事でお話していますので、そちらも併せてお読み下さい
    離婚慰謝料、請求できる??

  6. 06

    まとめ

    今回は浮気・不倫相手に対する慰謝料請求のあれこれについてお話ししました。

     

    また、離婚原因を作った第三者として他に挙げられるのは、配偶者の親族でしょう。

    義父母との関係がうまくいかず、日ごろの態度や接し方が夫婦関係の破綻原因になることもしばしあります。

     

    この場合、親族を相手に慰謝料の請求を訴えるケースがあります。

    しかし、配偶者の親族に対する慰謝料請求は認められない場合が多いようです。

     

    もし請求しようと考えている場合は、いじめの記録をとったり、浴びせられた暴言の録音をしたりするなど、証拠をしっかり準備しておくことをおすすめします。

     

    浮気・不倫された側が泣くことにならないように、慰謝料の請求には万全の準備をしておきましょう。

    最後までご精読ありがとうございました。