面会交流に関する実際のトラブル

公開日: 2019.05.30

最終更新日: 2019.12.03

こんにちは

LSO総合司法書士事務所の沖中です。

 

今回は、面会交流に関してありがちなトラブルについてお話しします。

離婚によって離れ離れになってしまった親と会ったり、連絡をとる面会交流は、

子どもの権利であることは、別の記事でもお話しました。

 

ですが、親同士が円満に別れて面会交流も毎回スムーズに行えているという家庭は

どれくらいの割合で存在するのでしょうか?

 

離れた原因が離婚ですので、やはり何かしらのトラブルが生じてもおかしくはない状況と言えます。

そんなトラブルが生じたときの対処法を今回はお話していきます。

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    子どもが会いたがらない

     

    子どもの全員が全員、離れて暮らす親に会いたがるとは限りません。

    「会いたくない」と子どもが言った場合、その言葉は、本心なのか、

    一緒に暮らす親への気遣いなのか、真意を探ることが一番の課題になります。

     

    ・本心の場合    ⇒ 無理に会わせる必要はありません

    ・気遣っている場合 ⇒ 面会交流を促す必要があります

     

    いずれにしても、親子での交流の大切さを教えて、離れて暮らす親に会わせるのがベストと言えます。

     

    では、なぜ面会交流の大切さを教える必要があるのでしょうか?

    次でお話しします。

     

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    子どもにとっての大きなメリット

     

    面会交流は子どもにとっても、大きなメリットがあります。

     

    具体的には、

    ・どちらの親からも愛情を受けていると感じることができ、安心や自信が得られる

    ・離れて暮らす親の人物像が分かり自分自身の存在を再確認できる

    ・離れて暮らしていても親と子としてのつながりの確信が持てる

    ・子供が成長する過程で、親のことを人生のモデルとして捉えられる

    ・離れて暮らす親に対してよい印象をもって生きていくことができる

     

    などです。

     

    離れて暮らす親と会えない環境は子どもの成長過程において深い傷を残しかねません。

    親同士は離婚しても面会交流ができるというのは、子どもが正しく成長するための福祉として大きく影響してきます。

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    面会交流は拒否できる?

     

    ずばり、面会交流は、理由なしでは拒否できません。

    離婚しても子どもにとっては、親に変わりはありませんので

    一方の親の「都合」や「感情」だけで面会を拒否することはできません。

     

    別の記事でお話した、面会交流を制限できるケースに該当する場合は、まずは一緒に話し合ってみましょう。
    面会交流権って誰の権利?どうやって決める?

     

    面会交流の拒否を話し合いで受け入れてくれれば理想ですが、簡単には受け入れられないのが現状だと思います。

    でもやっぱり拒否したい、という思う方も少なからずいらっしゃるでしょう。

     

    話し合いが難しければ、家庭裁判所に調停を申し立てることも可能です。

    ですので、取り決めをした面会交流を一方的に拒否することだけは避けて下さい。大変なことになります。

     

    一方的に拒否を続けると・・・

    一方的に拒否を続けると、「面会交流を拒否された」、「子どもと引き離された」

    という憎しみの感情が強くなり、相手方から慰謝料を請求される可能性があります。

     

    1回の面会拒否に対する罰金の相場は3~5万円です。

    何度も拒否すると巨大な額になってしまいますので、むやみに拒否を続けることはやめましょう。

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    実際に起きるさまざまなトラブル

     

    「面会交流を決めるだけ決めたが会わせてもらえない」なんてことがあります。

     

    実際に、

    ・「子どもの成績が下がったから会うのをやめて欲しい」と言われた

    ・「再婚するから会うのをやめて欲しい」と言われた

    ・審判で面会交流が認められたのに、子どもを引き取った親が家族ぐるみで悪口を言い、子どもに悪影響が出ている

     

    などのトラブルが起きています。

     

    子どものことを想って会わせたくない場合や、単に会わせたくないという親の勝手な気持ちだけの場合など、

    様々な理由によるトラブルがあります。

     

    解決策としては、まず第一に子どもの気持ちを優先させるということです。

    どんな状況であれ、子どもが会いたがっているのであれば、その気持ちを最優先にして妥協点を探してください。

    親子関係に危機が生じている場合でも、面会交流が継続できているのであれば、

    親はその修復を図る努力をしなければなりません。

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    まとめ

     

    今回は面会交流で生じる様々なトラブルについてお話ししました。

    面会交流を拒否すると、慰謝料を請求される可能性があるということ、みなさんはご存知でしたでしょうか?

    知らず知らずのうちにそのようなお金で家計を圧迫されないように、子どもを引き取った方は気をつけて下さい。

     

    せっかく面会交流について決めたのですから、守るべきルールはお互いに守るようにしましょう。

    また面会交流の取り決めをした場合は、離婚協議書にしっかり残しておきましょう。

    どこまでがOKで、どこからがNGなのかはっきりさせておくことが重要です。

     

    当事務所では、そのような取り決めのサポートもさせて頂いております。

    何か悩んでいることがあればお気軽にご相談下さい。

    相談フォーム

     

    最後までご精読ありがとうございました。