創業株主間契約とは
「創業株主間契約」をざっくり言うと
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創業時の株主同士で株式に関する問題を未然に防止するための準備
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将来、株主(役員)同士でケンカ別れになったときに備えて決めておくルール
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具体的には仲が良いうちに辞めた人の株主の買取りについて決めておくこと
実務家からのコメント
会社を設立する出資者(株主)が一人でしたら経営方針をめぐる議決権の行使で、トラブルになることはありません。
しかし複数人で出資し、会社を設立する場合にはどうしても経営方針の違いから辞めた役員(株主)とトラブルが生じることがあります。
そうしたときに前もって経営脱退者から株式の買取りルールを定めておく契約を、創業株主間契約といいます。
なお予め決めておく内容は主に以下の内容です。
1 誰が買い取るのか
例えば
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脱退者の株式は代表者が買い取る
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残った創業株主が均等に買い取る
などといった取り決めです
2 買取り時の価格は幾らとするか
例えば
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出資時の価格そのままとする方法(1株1万円で出資したならその価格)
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簿価純資産により計算する方法
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脱退時のもっとも直近の増資時の出資価格
もちろん無償で譲渡するという取り決めも可能ですが、
3 ベスティングを設けるか
ベスティングとは一定の時期の経過に応じて権利を確定させる契約条件のことです。
創業株主間契約では、「脱退者の在籍期間に応じて当該脱退者が一定の株式を保有し続けられる」といった条件のことをさします。
条文例)
第〇条(株式の譲渡請求)
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存続当事者(会社代表者)は,退任当事者に対し、その保有する本会社株式の全部または一部を、自己または自己の指定する第三者に対して譲渡するよう請求できる。ただし,退任当事者は,次の各号に定める退任の時期に応じて、保有する本会社株式のうち当該各号に掲げる割合にかかる株式の譲渡請求を拒むことができる。
(1)本契約締結後1年未満 20パーセント
(2)本契約締結後1年以上2年未満 40パーセント
(3)本契約締結後2年以上3年未満 60パーセント
(4)本契約締結後3年以上 80パーセント