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財産管理はどんなことをするの?①就任してすぐのお仕事
執筆者;髙澤
公開日;2016/11/15
更新日;2016/11/15
こんにちは
LSO総合司法書士事務所の高澤です。
「成年後見、気になるけど自分でできるかな。仕事はどんなことをするんだろう。」と気になっている方がいらっしゃると思います。
後見人になってからの仕事は、本人の財産の管理と、身上監護の2つがあります。
成年後見の仕事をどのような流れでしていくのか、どのくらい裁判所に報告するのか、実際後見人になって仕事をしてみないと中々掴みにくいですよね。
今回は財産管理について、就任してすぐにどのような仕事をしていくのかを書いていきたいと思います。
まず、後見人になったら次のような財産を管理をすることになります。
・現金、預貯金、不動産などの管理
・収入・支出の管理
・有価証券などの金融商品の管理
・確定申告や納税などの税務処理
就任してからすぐ(就任後三か月くらい)はどんな仕事があるのか
後見に就任して何から手をつけたらいいんだろうと慌ててしまいそうですが、1つずつ進めていけたら大丈夫です。
財産関係の書類の受け取り
後見人に就任してからはまず、預金通帳や不動産の権利書、印鑑など、本人の財産関係の書類を今まで管理していた方から引き受けます。
登記事項証明書の取得
登記事項証明書は成年後見人であることを証明するためのもので、法務局から発行してもらいます。
証明書には被後見人が誰なのか、後見人が誰なのかが記載されています。
また、保佐や補助の場合はその権限に関する事項も記載されています。
これを発行してもらうことで、銀行や保険会社等で変更手続きする時、自分が後見人であることを証明することができます。
登記事項証明書はこの後いろんな手続きで必要になるため、手続きで提出する時はコピーを一緒につけて原本を返してもらうようにしましょう。郵送で手続きする際は、「原本還付(原本を返してください)をお願いします」と書いたメモを張っておくと良いです。
また、証明書が1つしかないと「市役所の手続きで使いたいけど、保険会社に出してしまった。保険会社から証明書が返ってくるまで待たなきゃいけない…」という困ったことになってしまいます。そのため登記事項証明書は2、3通取得していると便利です。
銀行や保険会社への届け出
書類や印鑑を引き受けたら、銀行や保険会社に成年後見人の就任を届け出る必要があります。
銀行によって対応は異なりますが、届け出をすることで口座の名義人が「本人の名前 成年後見人 後見人の名前」と記載された通帳に変わります。
また、状況に応じて、保険の引落口座の変更や銀行口座の解約と統合などをしていきます。
いずれの手続きにも、成年後見人であることを証明するために、登記事項証明書を毎回提出する必要があります。
これが意外と時間がかかり大変な作業となります。
銀行の口座が多かったり、いろんな銀行から引落がされていると財産管理が大変になってしまいます。そこで、口座をひとつにまとめて、そこから年金の入金やその他の支払いを行うように手続きするとわかりやすくなるかと思います。
また、ひとつにまとめた通帳に、何に使ったのか鉛筆でメモを残しておくと、裁判所から書類の提出を求められた際にやりやすくなります。
家庭裁判所への初回報告
初回報告は後見に就任して最初に作成する「財産目録」と「年間収支予定表」のことです。
「財産目録って申立時に提出しなかったっけ?」
申立時の財産目録は、申立時に把握できている、通帳などの財産書類をもとにつくることになります。
けれど「○○銀行と取引はあると聞いているけれど…通帳が見当たらない!」という時、銀行に問い合わせても、本人でないと答えてくれません。そのため、申立時は分かっている範囲での財産目録を作成して提出します。
後見に就任してからは後見人として、どこの銀行に通帳があるかの調査をしたり、通帳の再発行などの手続きをしたりしていきます。
このようにして後見就任後に、新しい情報が集まってくるので、それを新たに財産目録としてまとめて提出します。
そして、新しく見えてきた本人の状況をもとに、本人の支出や今後の見通しを年間収支予定表にまとめ、これも提出します。
この初回報告までは、あちこちで届け出や手続きをしたり、情報をまとめたりで大変ですが、ここからは落ち着いてきます。
本人の居住場所が変わったり、重要な財産を処分するなどした場合は、その都度家庭裁判所へ報告する必要がありますが、基本的にはこの後、1年に1回ほどの報告になります。
これからの報告は1年に一度ほどですが、報告の時期まで何もしないでいいということではありません。きちんと報告できるように、毎月管理したものをノートなどにまとめておきます。
本人にとってどのようなお金の使い方が1番なのかな~と考えながら、領収書や通帳のコピーの保管方法を工夫して楽しむのもいいかもしれません。
後見の仕事が負担になってしまうのも悲しいので、自分なりのやりやすい方法を見つけていけたらいいですよね。
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