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後見監督人って何?②
執筆者;髙澤
公開日;2016/9/14
更新日;2018/6/13
こんにちは。
LSO総合司法書士事務所の髙澤です。
前回に引き続き後見監督人について書いていきたいと思います。
後見監督人が選任されるのはどんな時?
後見監督人が選任されるのは次のようなケースだと言われています。
②本人の親族ではない第三者が後見人になった場合、親族を後見監督人として選任するケース
③後見人を本人の親族で選任したときに、司法書士や弁護士などの専門家を監督人として選任するケース
よくあるケースは③で、本人が多くの不動産を所有していたり、今後遺産分割協議を行う予定があったりなど、手続きが難しい場合には専門家が後見監督人に選任されることがあります。
最近は、後見制度の利用者が増え家庭裁判所の監督が追いつかなくなったことで、横領や不正が出てきたことによって、一定以上の財産をもっている場合に、後見人が不適切な管理をしていなくても、後見監督人が選任されることが多くなりました。
後見監督人がついた親族後見人で、「家庭裁判所から信頼されてないようで不快だ」「なぜ後見監督人がついたのかわからない」という声を聞きます。
本人の財産が多いという理由であれば、裁判所から後見支援信託を勧められ、金融機関で信託をすれば監督人がつくということはありません。
監督人がつけられるのは、信託を断った場合、後見業務が複雑で難しい場合、後見業務が不適切な場合に概ね当てはまります。
必ず監督人がつくのには理由がありますので、理由がわからなくて不安になった場合は家庭裁判所の担当に確認したら教えてもらえます。
どのような人が後見監督人になるの?
後見監督人になるのに特別な資格はありませんが
- ★後見監督人の欠格事由★に該当する人
- 後見人の配偶者
- 後見人の直系血族
- 後見人の兄弟姉妹
などは監督という職務にふさわしくないとされ、後見監督人になることができません。
★後見監督人の欠格事由★
後見監督人も後見人と同じで、本人のために職務を全うできるふさわしい人物でなくてはなりません。そのため次のような欠格事由に該当する場合は、後見監督人になることができません。
- 未成年者
- 家庭裁判所で解任などをされた法定代理人、保佐人、補助人
- 破産者
- 本人に対して訴訟を起こしている人、その配偶者や直系血族
- 行方の知れない人
また、後見監督人の主な職務は後見人の監督なので、後見人に身近な人物は馴れ合いなどで、監督の仕事が十分にできないとされています。
そのため繰り返しになりますが、後見人の配偶者や直系血族、兄弟姉妹は後見人になることはできません。
後見監督人の報酬
後見監督人は、家庭裁判所の審判に基づいて、本人の財産から報酬をうけることができます。
後見監督人としての業務にかかる費用も本人の負担になります。
詳しくは、以下の関連コラム(「後見監督人の報酬の目安+付加報酬」の欄)をご参照下さい。
<関連コラム>
成年後見人の報酬は月々幾ら?
後見監督人の辞任
後見監督人も成年後見人と同じで、自由な辞任を許してしまうと本人の保護が不十分になってしまいます。
また、後見監督人として違法な行動をするなど、職務を行う人として不適切な場合は辞めさせる必要があります。
そのため、監督人は正当な理由を申し出て家庭裁判所からの許可が下りた場合に辞任することができ、後見監督人で不正な行為があった場合は、家庭裁判所が解任させることができます。
最後に
後見監督人については以上です。
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