成年後見「後見」「保佐」「補助」って?

 

執筆者;髙澤
公開日;2016/7/25
更新日;2018/6/9

こんにちは
LSO司法書士事務所の髙澤です

成年後見制度は、本人の判断能力の程度やどのくらい支援が必要かによって「後見」「保佐」「補助」の3つにわかれています。今回はこの3つの分類の違いや役割について書いていこうと思います。

「後見」

後見は、認知症などで判断能力が欠如していることが通常な方が対象になります。

後見人は本人に代わって契約を結んだり(代理権)、本人が結んだ不当な契約を取り消すことができます(取消権)。これらは、本人の財産や日常生活を守るために権限が与えられているため、日常生活で必要な行為(日用品の購入など)に関しては取消権を使うことはできません。

―取消権が使える例―

  • 借金
  • 電話や訪問販売などの商品購入
  • カードによる商品購入
  • 高額な商品の購入

―取消権が使えない例―

  • 食料品の購入
  • 衣料品の購入
  • 生活用品の購入
  • 公共交通機関の料金
  • 医療費
  • 高額ではない娯楽品
  • 結婚・離婚

「保佐」

保佐は、判断能力が少しあるけれど、通常には足りていない方が対象になります。

保佐はお金を借りたり、不動産を売買したりなどの法律行為をするときに、家庭裁判所で選任された保佐人の同意が必要になります。保佐人の同意を得ないでした行為は、本人や保佐人が後から取り消すことができます。

また、本人の同意を得た上で、家庭裁判所から付与された代理権の範囲で、本人に代わり契約を結んだりするなどの権限を持つことができます。

「補助」

軽度の認知症など、判断能力に不安を感じる方が対象になります。

補助人は補助開始の審判を受けた本人が望む一定の事に対して、同意したり、取り消したり、代理したりすることができます。

補助の制度を利用する場合は、申立て時に、同意(同意権)、代理(代理権)できる事柄の範囲を決める必要があります。

※後見・保佐・補助のどれになるかは、医師の判断や鑑定を元に、家庭裁判所によって決められます。またそれぞれに、後見人・保佐人・補助人が選任されます。

まとめ

 

「後見」は判断能力が欠けている状態ですが、「保佐」「補助」がまだある状態です。

成年後見には本人の意思を尊重するという考えがあります。そのため「保佐」「補助」では、保佐人・補助人の選任や代理権を有するのに本人の許可が必要になります。

一方「後見」では意思決定が難しいということから、本人の同意なしで契約などを代理したり、取り消したりすることができます。

「後見」はフルサポート、「保佐」「補助」は本人の状態に応じて、本人が難しいだろう一定のことをサポートするイメージです。

成年後見のことで何か不安に思われている・後見制度の利用を検討している場合には、専門家への相談・医師の診断を受けてみることをお勧め致します。

成年後見制度については後記ページにも、詳しく記載しております。

よろしければご参照ください。
どうぞよろしくお願いします。

成年後見制度とは

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