任意後見と法定後見との違いについて~本人の判断能力編~
執筆者;金光
公開日;2016/11/7
更新日;2017/5/9
こんにちは
LSO総合司法書士事務所の金光康太です。
皆さんは「任意後見」と「法定後見」の違いについて、ご存知でしょうか?
当HPでも、既に法定後見と任意後見の紹介はさせて頂いていますが
今回は任意後見契約をベースに、契約の前提条件たる本人の判断能力の違いを中心に「任意後見」と「法定後見」の違いについて解説させて頂きます。
本人の判断能力の違いで、「任意後見」か「法定後見」か選択肢がわかれます!
任意後見制度は、当事者が*公正証書で任意後見契約を締結して開始します。
※公正証書とは、公証人が法律に従って作成する文書のことです
この任意後見の契約締結時に、本人に判断能力があれば、任意後見制度を利用することが可能です。
逆にいうと、契約締結時に判断能力がない場合には、法定後見制度を利用することになります。
ここで判断能力の解説です
判断能力とは、簡単にいうと
「自分の行為の結果を判断することができる能力」
のことをいいます。
こういうと分かりずらい・・・ですよね
なので例を挙げると
この場合、Bさんが了承すると売買契約が成立しますよね。
その売買契約の結果、Bさんは土地をAさんに引き渡す義務が、AさんはBさんに売買代金を支払う義務が発生します。
「判断能力がない状態」というのは上記のような、自分の行った行為の結果どういったことになるのか?、どのような義務が発生するか?などについて認識する能力がない状態をいいます。
ちなみに判断能力がない方の例として、重度の認知症患者、不慮の事故などで遷延性意識障害(いわゆる植物人間状態)の方などは、判断能力がないといえるでしょう。
<関連コラム>
成年後見制度と認知症(1)
成年後見「後見」「保佐」「補助」って?
最後に
任意後見制度は、自分が元気なうちに将来の判断能力の衰えに備える「老い支度」の為の制度と言っていいでしょう。
なお、任意後見契約を締結したからといって
「すぐに他人に財産を預けなければいけない」
「自分の財産情報を裁判所や他人に開示しなければいけない」
なんてことはありません。
あくまでも将来に備えた老後の安心設計と思って下さい。
※「老い支度」といえば、遺言書の作成を思い浮かべるかと思いますが、当センターでは、遺言書作成とセットでの、ご相談にも対応しています。
<関連ページ>
遺言書サービス料金表(相続トータル支援センター大阪)
成年後見制度は認知症や、知的障碍などで判断能力が低下した方を保護するとても大切な制度です。
本コラムをお読み頂き、少しでも皆さんの成年後見制度の理解・利用に貢献できれば嬉しいです。
最後までご精読ありがとうございました。
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