兄弟や孫は遺言書証人になれるのか??

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こんにちはLSO総合司法書士事務所の金光康太です。
まだまだ、じめじめして蒸し暑い日が続いていますね。先日、季節はずれと思うのですが、紋白蝶(モンシロチョウ)を見ました。市街地の福島区某所でみかけたので、飼われていたものが逃げ出したのかもしれませんが、この暑さで季節はずれの羽化をしちゃったのでしょうか…不思議ですね。


さて、今回は公正証書遺言の作成に当たっての証人のことについて、お話します。

遺言書を公正証書で作成する場合には、証人が2人必要になります。
この証人になれない人は民法という法律で決められています。以下はその条文を紹介します。

(証人及び立会人の欠格事由) 第974条  
次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。
一  未成年者
二  推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
三  公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人

「未成年者」は法律行為(取引等)をする場合には、親など法定代理人の同意が必要になります。そのような者を証人とすることはできません。
「推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族」は、遺言者本人の財産をいずれ受取る可能性のある者です。これらの方々が証人になってしまうと利害関係がとても大きいので、遺言書の証人には適していません。
「公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人」は、公証人のいわゆる身内が証人となってしまうと、それこそ万が一、不誠実な公証人が現れた場合に、遺言書の真正を保つことができなくなりますよね。なので禁止されています。

つまりは、上記以外の者であれば原則として、公正証書遺言の証人になれるということです!
(実務上、認知症等の※成年被後見人等は遺言書の内容を把握できないとして、公証人より証人不適格とされる可能性があります)

※成年後見人についての説明は、以下のHPをご参照下さい。

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では、表題の遺言者本人の「孫」や「兄弟」は、証人になれるでしょうか?

「孫」は、証人欠格条件の「推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族」の推定相続人の直系血族に当たります。なので証人になることはできません。
「兄弟」は、「推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族」この条件に当てはまらなければ、証人になることができます。つまり、遺言者本人に子供がいない、両親も亡くなっているという場合では、兄弟が推定相続人になります。こういった場合では、兄弟は証人になることはできません。

 

<結論>
本人の「孫」→証人にはなれません
本人の「兄弟」→「推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族」の条件に当てはまらなければ証人になれます


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(出張相談も対応しております)

最後まで、お読み頂きありがとうございました。

 

~参考条文~ (公正証書遺言) 民法第969条 公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一 証人二人以上の立会いがあること。
二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。
ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。

 

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