離婚慰謝料、請求できる??

公開日: 2019.08.16

最終更新日: 2019.12.03

こんにちは

LSO総合司法書士事務所の沖中です。

 

今回は、離婚時の「慰謝料」についてお話していきます。

 

離婚に向けた話し合いの中で一番もめるのが、やはりお金に関すること。

「もらえるだけもらう」、「少しでも多くもらう」、「支払額は最小限に」、

こう思わない人はいないのではないでしょうか。

 

慰謝料は相手の行為によって受けた精神的苦痛に対する損害賠償のことです。

つまり、財産分与とは性質が異なり、離婚の際に必ず請求できるものとは限りません

 

では、どんな場合に慰謝料を請求することができるのでしょうか?

 

  1. 01

    慰謝料の請求ができるケース

    やはり典型的なのは、“不貞行為(不倫)”だと思います。

    他には、“暴力”、“夫婦の同居義務・協力義務・扶助義務違反”、“通常の性行為の拒否”などが挙げられます。

    これらはなんとなく想像がつきましたよね。

     

    また次のようなことも慰謝料の請求の原因になります。

    過度の飲酒”、“ギャンブルなどの浪費”、“異常な性行為の強要”、“モラハラ” などなど

     

    つまり、一般的に知られている不貞行為だけでなく、それ以外を理由に慰謝料を請求することができます。

     

    また不貞行為の場合には、不倫相手にも慰謝料を請求することができます。

    ただし、配偶者と不倫相手の両方に全額ずつ請求することはできません。二重取りは禁止です。

     

    いずれにしても、慰謝料の請求には証拠が大事になってきます。

     

    慰謝料が認められやすい有利な証拠(不貞行為関連)

    特に、相手方の不貞行為を理由に慰謝料を請求する場合、証拠の有無が請求の可否に繋がります。証拠の中でも使える証拠、使えない証拠があります。証拠を集める際は気をつけましょう。

     

    <有力になる証拠>

    メール、SNS;肉体関係があったと推測できる内容のもの

    写真・動画;ホテルなどに出入りしているもの、性行為の写真やそれに近いもの

    録音;浮気や不倫を認めた内容のもの

    電話の通話履歴;肉体関係があったと推測できる内容のもの

    領収書;ラブホテルなど、肉体関係があったことを推測できる領収書

     

    重要なことは、肉体関係があったと推測できるものであるということです。

    自分で証拠を集めるのは大変、と思う方は、探偵事務所を頼るのもひとつの手段です。

     

    不貞行為だけでなく、その他の原因を立証するためにも証拠は非常に重要な意味をもちます。

    暴力を振るわれているのであれば、体のあざの写真を撮ったり、暴行中の音声を録音したりしておいてください。

     

     

  2. 02

    慰謝料の請求ができないケース

    以下のような場合は、慰謝料の請求ができません。

     

    性格の不一致、強度の精神的疾患、有責行為が双方に同程度ある(相手が先に不倫し、その報復で自分も不倫した場合なども含む)、信仰上の対立、相手の親族との不和、すでに夫婦関係が破綻している、財産分与の一部などですでに損害が補填されているなど。

     

    つまり、仮に精神的苦痛があったとしても,離婚することでその苦痛自体が収まることもある場合には、離婚のほかに慰謝料を認める必要がないと裁判所に判断されることがあるということです。

     

    しかし、場合によっては認められることもありますので、絶対的に不可能ではありません。裁判所の裁量にゆだねるほかない、ということです。

  3. 03

    複数の原因による慰謝料

    慰謝料の請求原因が必ずしも1つであるとは限りません。

    中には複数の原因が相まって、高額な慰謝料の請求を認めた事件もあります。

     

    <裁判所が慰謝料1500万円を認める判決を出した事例>

    「夫の浮気を妻が問い詰めたところ、夫は家を出て愛人宅に入りびたるようになり、たまに必要なものを取りに帰宅しても口論の連続。夫の両親からは妻が悪いとののしられ、ついには夫の暴力で全治3週間のケガを負って離婚。」

     

    この事例では、不貞行為、同居義務・協力義務・扶助義務違反、暴力、モラハラという、とても多くの慰謝料請求原因があります。

     

    このように原因が複数あると、慰謝料の算定も難しくなり、当事者の話し合いでは到底決着がつかないと思いますので、裁判所の判断にゆだねるのが適当です。

     

  4. 04

    離婚しなくても慰謝料は請求できる

    あまり区別はしませんが、慰謝料には2つの性質があります。

     

    ①浮気や暴力による精神的苦痛に対するもの

    ②離婚すること自体から生ずる精神的苦痛によるもの

     

    ①による場合、離婚しなくても慰謝料を請求することができます。

    つまり、慰謝料というのは、必ずしも離婚しなければ請求できないというわけではありません。

  5. 05

    慰謝料請求の時効

    慰謝料の請求には時効があります。慰謝料請求権は離婚成立のときから3年以内に請求しなければならないと決まっています。

     

    離婚後に浮気・不倫が発覚した場合でも、慰謝料の請求は可能です。

    ただし、請求できる期間は決まっており、浮気・不倫があった事実と、あなたが不倫相手を知った時から3年です。

    また、配偶者に浮気・不倫関係があったときから20年間が経過すれば請求はできなくなります。

     

    いずれにしても、離婚後の慰謝料請求は3年経過すれば、できなくなります。

     

    気をつけて頂きたいのは、請求できると分かってから3年以内ではない、ということです。

     

    どんな場合であっても離婚成立の時からその時効は進行します。

     

    もし、離婚後に慰謝料を請求する場合、離婚自体は成立しているので、直接、家庭裁判所の調停もしくは簡易裁判所、地方裁判所に訴訟を提起することになります。

     

  6. 06

    まとめ

    今回は慰謝料を請求することができる場面、できない場面についてお話ししました。

     

    離婚時の慰謝料を請求するしないは自由ですが、簡単に請求できるものとも限りません。

    請求を考えている場合は、しっかり証拠を残しておくことが何よりも大切です。

     

    別のコラムでは、「慰謝料の相場」についてもお話ししています。

    本コラムとあわせてお読み下さい。

     

    また新しい生活を営むにあたり、離婚に際してのお金の取り決めは、きちんと離婚協議書として残しておくことをお勧めいたします。

    当事務所では、そのサポートをしておりますので、宜しければお気軽にお問合せ下さい。

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    最後までご精読ありがとうございました。