複数人で後見を行う「共同後見」について

 

執筆者;金光
公開日;2017/8/8
更新日;2018/6/12

こんにちは。
LSO司法書士事務所の金光康太です。

引き続き、当センターでは多くの成年後見に関するご相談を頂いています。
先日、電話相談にて以下のような相談を伺いました。

「後見人のお仕事って全部ひとりでしないといけないのでしょうか?」

本件の相談者様は、自分の父親(認知症気味)の成年後見制度の利用を考えているそうなのですが、成年後見人に就任し、自分一人で後見人の仕事をこなしていけるのか、不安を抱えていたそうです。

上記質問の回答ですが、複数人で後見を行う「共同後見」という制度があります。
成年後見人の選定は、家庭裁判所が行いますが、家庭裁判所が後見人は1人ではなく複数の方が良いと判断した場合には、複数人が共同で後見人に就任する場合があります。

後見人の仕事はケースによっては事務処理が大変ですし、また大きな責任も伴う大切な仕事です。
今回は「複数人が後見人に選ばれる事例」、「共同後見のメリット・デメリット」をご紹介していきます。

複数人が後見人に選任される事例

複数人の親族後見人が選任される場合

例えば、後見申立てを行った方が高齢者で、ひとりで被後見人の財産管理や身の周りのお世話をするのが大変だと見なされた場合に、もうひとり親族の中から後見人に選任されるケース

また、親族関係が上手くいってない場合に、いらぬ疑念を生じさせないためにも、複数人(親族同士)で後見人に就任したいと申し立てる場合もあるでしょう。

※但し、実際に候補者両名が後見人に選ばれるかは家庭裁判所の判断次第です

親族後見人と専門職後見人が選任される場合

申立てを行った親族が被後見人の身の周りのお世話(身上看護)を行い、司法書士や弁護士などの専門職が財産管理をするという、分担して後見を担当するケースなどがあります。

これは本人の財産額が多い場合、つまり財産管理が複雑と判断された場合に、親族後見人の負担を減らし、適切な財産管理をおこなって貰おうという家庭裁判所の判断が働いた場合です。

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共同後見のメリット・デメリット

共同後見のメリットは、ひとりで後見人として任務をこなすより事務負担が少なくなり、気持ちの面でも、誰かと一緒の方が後見人業務に向かうに当たって心強いということもあるでしょう。
また先だって申し上げましたが、共同後見において、親族のほかに専門職(弁護士・司法書士等)が選ばれた場合には、財産管理を専門家に任せられるというメリットがあります。

反対にデメリットとしては、権限を共同で行使しないといけない場合に、煩わしいという問題がありえます。例えば契約を行う際に、後見人両者の同意が必要となれば、何かを決断する際は後見人同士で相談をし、共に契約を行わなければいけないので、一人で行うより時間がかかったり、手間が増えてしまうのはやむを得ません。

まとめ

後見人のお仕事は必ずしもひとりでしなければいけないものではなく、裁判所の判断によっては複数人で分担して被後見人を守ることが出来るような制度といえます。今後とも高齢化が進んでいく中で、被後見人を守る人を増やすことは、安心に繋がる対策だと私は考えています。

但し、繰り返しになりますが、成年後見の申立書において、共同後見を行いたい旨の申立てをしても、候補者が後見人に選ばれるかは家庭裁判所の判断次第なので、この点はご注意下さい。

共同後見を希望していても、家庭裁判所の判断次第で専門職が単独で後見人に選ばれるケースもあります。その点もくれぐれもご注意ください。


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