親族が成年後見人に選ばれにくい6つのケース

 

執筆者;金光
公開日;2016/12/2
更新日;2018/6/15

はじめに

こんにちは
LSO総合司法書士事務所の金光康太です。

以前のコラム「成年後見人は誰が就任するの?(1)~就任できない人々」で、成年後見人に就任できない人を、ご紹介させて頂きました。

注:「後見人に就任できない人」についてご存じない方は、先に上記コラムをお読みください

・成年後見人に親族の自分は就任できるのか?
・裁判所から無事に選ばれるだろうか?


これは成年後見を申し立てる方にとっては大きな問題・関心事ですよね。

さて今回はその問題に関連して、私が元家庭裁判所の後見調査官に教えて頂いた
親族の候補者が「成年後見人に選ばれにくいケース」を、6つご紹介させて頂きます。

 

<親族が成年後見人に選ばれにくい6つのケース>  

.遠隔地に住んでいる場合(同県はOKのことが多い)

.親族間に紛争がある場合

.候補者の年齢が70歳以上

.候補者の事務処理能力が低い(申立書に不備が多い、杜撰な場合)

.候補者に住宅ローン以外の借金がある

6.本人の預貯金が1200万円以上の預金がある(金額は裁判所によって異なります)※

※12月28日追記


では、解説にまいります! 

.遠隔地に住んでいる(同県はOKのことが多いです)


本人と候補者との居住地との距離が遠隔の場合には、候補者は後見人に選ばれにくいです。

具体的な距離が定められているわけではありませんが

大阪⇔名古屋

東京⇔仙台

といった具合に、一定の距離感のある離れた場所に住んでいる場合には、家庭裁判所も慎重に判断を行います。上記のように距離が他府県にまたがっていたとしても、本人が24時間介護がいきわたっている老人ホーム等に入所していた場合などには、一定の距離がある場合でも候補者が後見人に選ばれるケースもあります。

しかし基本的には、本人と候補者との間に一定の離れた距離がある場合には、後見人に選ばれにくいことをご承知おきください。

.親族間に紛争がある場合


親族間に紛争がある場合は、専門職(弁護士・司法書士など)以外の候補者は後見人には選ばれにくいです。
この親族間に紛争があるか否かについては、家庭裁判所は“「親族の同意書」が申立書に添付されているか否か”で判断します。

詳しくは私が以前に公開したコラム『申立で親族の同意(同意書)がないとどうなるか?』をご一読下さい。

.候補者の年齢が70歳以上 


後見人候補者が70歳以上の場合も、家庭裁判所は候補者を後見人に選ぶことを避けます。
候補者が80歳以上の場合はまず選ばれることは厳しいようです。


人は高齢になるほど認知症の発症リスクが高まります。
また同じように死亡リスクも高まりますので、本人の安定した生活維持のためには、これは“やむを得ない判断基準”だと思います。

.候補者の事務処理能力が低い(申立書に不備が多い、杜撰な場合) 


ここでは申立人が候補者も兼ねる場合を前提にお話します。

成年後見の申立書が、不備が多く、杜撰な内容であった場合、家庭裁判所は候補者の事務処理能力が後見人として相応しくないと判断します。

後見人の業務には、本人の財産管理業務も含まれます。
つまり本人の財産管理の記録を、丁寧に残していく事務処理能力の高さが求められます

よって申立書が、根拠がなく間違いも多い“粗雑”な内容の場合には、家庭裁判所は候補者を後見人に選ぶことを避ける傾向にあります。

.候補者に住宅ローン以外の借金がある 


候補者に住宅ローン以外の借金がある場合も、後見人に選ばれにくくなる要因となります。

昨今、成年後見人による、財産の横領や不正な財産管理が問題となっています。
借金には様々な事情はあるでしょうが、候補者に住宅ローン以外の借金がある場合には、家庭裁判所は財産保護のために親族の候補者以外の専門職(弁護士・司法書士)を選ぶ傾向にあることをご理解ください。

.本人の預貯金が1200万円以上の預金がある(金額は裁判所によって異なります)

本人の預貯金が1200万円以上ある場合には、親族の候補者は後見人に選ばれにくい傾向にあります。
但し、この金額については、各家庭裁判所において差があるようです。

前項にもあるように、親族後見人による本人の財産の横領が増えてきており、裁判所の管理も厳しくなってきているようです。
適正に財産管理を行っている親族後見人の方もたくさんいらっしゃいますが、成年後見の横領事件の9割は親族後見人になっています。
日本では家族のために家族のお金を使うことが日常になっているので、横領という認識がないまま、親族後見人の方が本人のお金を使い込んでしまうというケースが多くあります。

家庭裁判所はそのような横領を防ぐために、本人の財産が1200万円を超える場合、司法書士や弁護士等の専門職後見人を選任することが多くなっています。


※預貯金の額であって、所有不動産の評価額は含まれません

最後に

例え候補者が本人の家族であっても、成年後見人に就任すると、他人の財産を預かる重大な責任が生じます。
それだけに家庭裁判所も後見人選びは慎重に判断します。

次回のコラムでは、申し立て段階において、少しでも候補者が後見人に選ばれやすくなるために
後見人に選ばれやすくするためにしておきたい3つの対策」と題したコラムを公開させて頂きます。

もし良ければそちらも併せてご参照下さい。

本コラムをお読み頂き、少しでも皆さんの成年後見制度の理解・利用に貢献できれば嬉しいです。
最後までご精読ありがとうございました。


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