成年後見申立ての必要書類のご説明(大阪家庭裁判所編)

 

執筆者;金光
公開日;2016/10/20
更新日;2018/6/9

 

はじめに

こんにちは。 LSO総合司法書士事務所の金光康太です。

当センターでは
「成年後見の申立をしたいけど、必要書類がよく分からない」
そういうご相談をよく伺います。
 
家庭裁判所のHPには、必要書類の案内は記載されているのですが、「見てもたくさんあってよく分からないです・・」というご意見を、よく頂きます。
実際、裁判所のHPを見てみると、ご自分の申し立てにはどの書類が必要なのか分かりづらいですよね。
当HPでも既に、申立に必要な書類の一覧を、簡単にご案内しておりますが、
今回は成年後見制度をより身近にするために、大阪家庭裁判所における成年後見申立(法定後見申立)に必要な書類一覧を、より詳しく、より分かりやすく紹介・説明をさせて頂きます。

大阪以外の他府県の申立においても、とても参考になると思うので、これから成年後見の申立について検討されていらっしゃる方は、是非最後までお読み下さい。

なお、分かりやすいように、申立に必要な家庭裁判所に提出する書類を、以下の3つのグループに分けて説明してまいります。

-提出書類の3つのグループ-
1.家庭裁判所で貰える申立書類一式(申立てをする方々が作成するもの)
2.裁判所に収める印紙・郵券
3.申立人・本人・候補者についての資料

では、説明に参ります!

1.家庭裁判所で貰える申立書類一式(申立てをする方々が作成するもの)


書類の該当箇所をクリック頂ければ、大阪家庭裁判所HPにて公開されています申立書式をダウンロード頂けます。

署名押印の箇所は、申立本人が署名し押印してください。なお押印は実印でなく認印でも大丈夫です。

icon_1r_24成年後見申立書(大阪家庭裁判所書式)

この申立書には、申立人・本人(判断能力が低下した方)・後見人候補者の住所氏名や、どういった理由で申立を行うのか、その動機などを記入していきます。

なお、成年後見ではなく、保佐開始、補助開始の場合は右上の□の該当箇所にチェックを入れて下さい。

<関連リンク>
成年後見の申立場所は?書式はどこで手に入る?
成年後見の申立ては誰ができるのか?

 

icon_1r_24 同意権・代理権付与申立書(大阪家庭裁判所書式)

これは、保佐開始申立と補助開始申立の際に提出します。
成年後見申立の場合、提出する必要はございません。

なお、以下に簡単に後見・保佐・補助の違いについて説明します。

 

後見類型は、判断能力を欠く常況にある人を対象にします。常に本人で判断して法律行為をすることはできないという場合です。

保佐類型は、判断能力が著しく不十分な人を対象としています。簡単なことであればご自分で判断できるが、法律で定められた一定の重要な事項については、援助してもらわなくてはできないという場合です。

補助類型は、判断能力が不十分な人を対象としています。大体のことはご自分で判断できるが、難しい事項については援助をしてもらわないとできない場合です。

 ちなみに成年後見・保佐・補助の開始申立をする方の、全体の8割程度は成年後見の申立です。
(「成年後見関係事件の概況」平成27年データより)

ご自身の親族が後見、補佐、補助のどれに当てはまるのかは、正直判断が難しいです。

分からない場合は目安として、後にご案内します「医師の診断書」を参考にすると良いでしょう。
ここに、お医者様にて後見開始相当・保佐開始相当・補助開始相当など記載する箇所があります。

 

<関連リンク>
成年後見「後見」「保佐」「補助」って?

 

icon_1r_24上申書(申立手数料の本人負担をもとめる)

成年後見の申立費用は原則として、申立人の負担です。
しかしながら、この上申書を提出すれば、全部又は一部の手数料につき、本人の負担とすることができる場合があります。

特に申立人の費用負担で良いという場合には、提出する必要はございません。

なお、弁護士、司法書士に依頼した場合の申立代行手数料については、本人負担とすることはできませんので、ご注意ください。


<関連リンク>
分かりやすい成年後見申立て費用の説明


icon_1r_24本人の照会書

本人の経歴や健康状態について記入する書類です。家庭裁判所にて審理がしやすいように、できるだけ詳しくご記入下さい。
後見申立のご本人が高齢の場合は、申立人には分からないことも多いかと思います。
例えば最終学歴などは、「全く分からないです」という方や、「多分この学校だ」と記憶や知識が曖昧な方が多いです。
本人にしか分かりえないこともあるので、分かる範囲の記載で構いませんが、出来る限り調べて家庭裁判所に情報提供をして下さい。

 

icon_1r_24親族関係図

本人の「親族」を記入してください。

※ここにいう「親族」とは、本人の※推定相続人(本人の配偶者や子供等のこと)をいいます。

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<推定相続人の説明>

 配偶者・・・・・・法律上の婚姻をしている人は常に相続人

 第一順位・・・・・子またはその代襲者・再代襲者など

 第二順位・・・・・直系血族の最も血の繋がりが近い者のみ

 第三順位・・・・・兄弟姉妹又はその代襲者

 

icon_1r_24財産目録・相続財産目録

本人の所有している預貯金や不動産などの財産を一覧にして記入します。
相続財産目録も添付しておりますが、これは本人が相続人となっている遺産がある場合にのみ記入します。ない場合は財産目録の2ページ目下部の「相続財産は無し」に○をして頂ければ、提出する必要はありません。

もちろん分かる範囲での記載で構いません。本人にしか分からない、調べられない財産に関しては、後見が開始された後に、成年後見人が財産を調査することになります。

 

icon_1r_24収支予定表
本人の1ヶ月当たりの本人の生活収支を記入して下さい。
本人の収入と支出を計算して、1ヶ月当たりの収支予定を記入します。家賃や健康保険料等の月々決まった金額のものは、その金額を記入下さい。おむつ代などの日用品に関する支出は直近3ヶ月の平均した金額を書き込むようにしましょう。

これで家庭裁判所は月々の財産の増減を確認します。
この収支予定表の書き方は、若干難しいかもしれませんが、家庭裁判所で審理しやすいように、分かる範囲でなるべく正確に記載をして下さい。

財産目録と同じように、本人にしか分からない、調べられない財産に関しては、後見が開始された後に、成年後見人が収支状況を調査することになります。

 

icon_1r_24 候補者に関する照会書

本人に代わって、本人の財産管理・身上看護を行う人物、つまり成年後見人の候補者の情報をこちらに記載します。候補者の住所、職業そして健康状態を明らかにすることによって、本当に本人にとって、この候補者が相応しい人物なのか、家庭裁判所は判断します。

 

icon_1r_24 陳述書(候補者が後見人欠格事由でないこと)

後見人には、以下の人物は就任することができません。

・未成年者

・家庭裁判所で免ぜられた法定代理人・保佐人または補助人

・破産者

・被後見人、被保佐人、被補助人に対して訴訟をし、又はした者並びにその配偶者及び直径血族

・行方の知れない者

本書面には、「私は上記のような人物ではありません」という陳述をし、本書面に候補者(陳述者)に署名押印して貰います。

上記①の成年後見申立書候補者の欄にて「裁判所の選任する第三者を希望する」を選択した場合には、本書面を提出する必要はありません。

 

<関連コラム>
成年後見人は誰が就任するの?(1)~就任できない人々

icon_1r_24同意書(親族の同意書)

家庭裁判所は後見開始の申立において、申立ての内容や成年後見人として誰が適任かということについて、申立人以外の「親族」の意見も参考にしながら審理を進めていきます。そのために、この「親族の同意書」の提出が必要となります。
ここでいう親族の範囲は、本人からみて推定相続人にあたる人々です。
※なお、当然申立人は同意書の提出は必要ありません。

但し、未成年者や高齢者虐待など、問題のある方の同意書までは貰う必要はありません。

未成年者以外の理由により、本書面を提出できない場合には、できれば上申書などを提出し、裁判所に事情が分かるようにすると良いでしょう。

申立書付票(2018年3月追記)

本人以外の方による後見開始申立ての場合のみ必要です。


<関連コラム>
申立で親族の同意(同意書)がないとどうなるか?
[必読]認知症の方の預貯金解約・引き落としにはご注意を
法定後見制度のメリットとデメリット

 

★次の項目その前に★
これまでの説明でも、実際の具体的な書き方に悩まれる場合もあると思います。
そんな場合は以下の書類をご参照下さい!!
上記①~⑩までの書類の書き方見本となっています。
icon_1r_24申立書類の見本(大阪家庭裁判所編) ←クリックしてください

 

2.裁判所に収める印紙・郵券(大阪家庭裁判所の場合)

ここでは、「成年後見申立」に掛かる印紙・郵券についてご案内させて頂きます。
(保佐開始・補助開始・任意後見監督人選任申立は、また異なります)

①収入印紙(申立書貼付用)             800円

②収入印紙(登記用)                     2,600円

③郵券(切手)                                3,900円
但し、郵券の組み合わせは以下の組み合わせにてお願いします

1,000円×1、100円×15、82円×10、52円×5、20円×10、2円×5、1円×10

なお、その他の保佐開始申立や、補助開始申立、任意後見監督人選任申立などに関する事件の手数料(印紙)や郵券の組み合わせは以下のご案内をご参照下さい。
必要な郵券等は、成年後見人の候補者の人数によっても異なってまいりますので、よくご確認下さい。

icon_1r_24後見事件申立手数料及び予納郵券一覧表 大阪家庭裁判所

各裁判所によって、この「裁判所に収める印紙・郵券」の金額は異なります。
大阪府以外の申立を検討されていらっしゃる方は、各家庭裁判所のHPで確認するか、直接担当部署に電話してみましょう。

ちなみに大阪家庭裁判所(本庁)の場合には、建物内に印紙の販売所があります。
後見申立窓口で必要な郵券を確認し、家庭裁判所内で購入することもできるので便利ですよ。
もちろん収入印紙・郵券は最寄の郵便局でも購入可能ですので、そちらも必要に応じてご利用下さい。

 

3.申立人・本人・候補者についての資料

申立人についての資料

①戸籍謄本(全部事項証明書)

申立人の本籍地をおく市役所若しくは区役所にて請求します。郵送での請求も可能ですが、その場合には、請求書とともに小為替、身分証明書のコピー、返信用封筒を同封する必要があります。
詳しくは、その市役所(区役所)に電話で問い合わせてみましょう。もちろん大半の市役所(区役所)では、郵送での請求方法を記載していますので、そちらを参考にするのも良いでしょう。

もし、「自分の本籍地が分からない!??」という場合も、ご安心下さい。
自身の住所地にて本籍地付きの住民票を取得すれば、本籍地が分かりますよ。

本人についての資料

①戸籍謄本(全部事項証明書)
本人の本籍地をおく市役所若しくは区役所にて請求します。

②住民票
本人が住所をおく市役所若しくは区役所にて請求します。

③登記されていないことの証明書
請求は窓口請求と郵送請求の、2つの方法があります。


<窓口請求の場合>
「登記されていないことの証明書」は、東京法務局後見登録課、全国の法務局・地方法務局(本局)の戸籍課の窓口で請求発行してもらえます。
ここで注意して頂きたいのは、法務局の本局で窓口請求して頂きたいということです。

大阪で一例をあげますと、大阪には現在、大阪法務局(本庁)以外にも、堺支局、北大阪法務局などなど、多くの法務局があります。しかし大阪府内の法務局にて、「登記されていないことの証明書」を窓口発行して貰えるのは、大阪市中央区谷町2丁目1番17号の住所地に設置されています大阪法務局(本庁)のみです。


<郵送請求の場合>
東京法務局後見登録課に郵送請求をおこなって下さい。
郵送請求の取り扱いをしているのは、東京法務局後見登録課のみです。

詳しい請求方法は、以下の東京法務局HPに案内が記載されていますので、ご参照下さい。

<外部リンク>
登記されていないことの証明書の申請方法

 

④財産関係等の資料のコピー(但し不動産の全部事項証明書(登記簿謄本)については原本提出)

(1)不動産
全部事項証明書(登記簿謄本)※1

(2)預貯金・株等
通帳、証書、株式・投信の残高証明書、その他財産が分かる書面

(3)生命保険等
 保険証券

(4)負債
住宅ローンの償還表、金銭消費貸借契約書、その他負債の詳細が分かる書面

(5)収入
年金額改定通知書・振込通知書
不動産収入がある場合は確定申告書・収支内訳書控え
給与明細書、その他収入金額が分かる書面

(6)支出
各種税の納税通知書
国民健康保険料介護保険料の決定通知書
家賃、医療費、施設費の領収書等

(7)健康状態資料
精神障害者手帳、身体障害者手帳、療育手帳、要介護度が分かる書面(介護保険認定書等)

これらの原本は家庭裁判所での事情聴取の当日に原本をご持参下さい。家庭裁判所にてコピー文書と相違ないか照合を行います。

もちろん、本人の「財産関係等の資料」はある分だけで、大丈夫です。特に申立てに至るまで、本人と別々の場所で、離れて暮らしていた申立人にとっては、本人の財産がどこにあるのか分からないことが多々あることでしょう。(当センターでも、そういう方がとっても多いです)

そういった場合には、実際に後見が開始され、後見人が本人の財産を調査していくことになります。ですので申立時に提出する「財産関係等の資料」は、可能な限り、集められる範囲で収集し、提出頂ければけっこうです。

 

※1
なお、不動産の全部事項証明書(登記簿謄本)は、最寄の法務局にて誰でも発行して貰えます
全部事項証明書(登記簿謄本)の請求には、不動産の地番や家屋番号を確認しておく必要があります。不動産の地番や家屋番号が分からない場合には
・固定資産税の納税通知書から確認する
・不動産の権利書に記載されている番号を確認する
・若しくは法務局にて電話で問い合わせますと、住所から対応する地番家屋番号を教えてもらうことが可能です。
窓口請求だけではなく、郵送請求も可能ですので、遠方の方は郵送請求をご利用すると便利です。

候補者についての資料

①住民票(本籍表示のあるもの)
候補者が住所をおく市役所若しくは区役所にて請求します。

最後に 

さて、これまで紹介させて頂きました、以下の3つのグループの書面を収集、作成頂けましたら、いよいよ家庭裁判所に書類の提出をおこないます。

急ぎの場合などは、事前に家庭裁判所に電話連絡のうえで、面談の日程をおこなっておくと良いでしょう。

-提出書類の3つのグループ-

1.家庭裁判所で貰える申立書類一式(申立てをする方々が作成するもの)
2.裁判所に収める印紙・郵券
3.申立人・本人・候補者についての資料


なお、申立ての必要書類の説明には、省かせて頂きましたが、家庭裁判所にて必要があると判断した際には、鑑定費用(5万円~10万円程度)を裁判所に納付する必要がある場合があります。
ので、ご注意下さい。

<簡単に鑑定費用のご説明>

※医師の診断書だけでは、本人の判断能力の判定に不十分として家庭裁判所にて本人の状態を鑑定する必要があると判断された場合には、鑑定費用を納める必要があります。
なお平成26年度の最高裁判所事務総局家庭局のデータによると、鑑定が実施されるのは、約10パーセント程度です。つまり残りの9割近くはこの鑑定は実施されず後見手続きは進められます。

~最後の最後に~
申立人で作成する文書(家庭裁判所で貰える申立書類一式)は、なるべく綺麗な字で丁寧に記入していきましょう。

その方が、審理を進める家庭裁判所も助かりますし、きっと家庭裁判所からの申立人・候補者の心象も良くなることでしょう。

 

成年後見制度は認知症や、知的障碍などで判断能力が低下した方を保護するとても大切な制度です。
本コラムをお読み頂き、少しでも皆さんの成年後見制度の理解・利用に貢献できれば嬉しいです。
最後までご精読ありがとうございました。

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当センターでは、申立てのみのご相談、ご依頼も多数お受けしております。
また、大阪府内の家庭裁判所への申立事件だけではなく、他府県の成年後見申立も受任しております。もちろん依頼者の本人確認、意思確認のために弊事務所に来所して頂く必要がありますが、事情によっては出張相談も、対応可能です。

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