本人の資格の制限について

 

執筆者;金光
公開日;2016/7/19
更新日;2018/6/17

こんにちは
LSO司法書士事務所の金光康太です

成年後見の申立てをした場合、本人(成年被後見人)に資格制限が発生します。

以下、成年後見制度を利用した本人の資格(職業)制限について一部をご紹介します。

主な本人の資格(職業)制限について

司法書士や弁護士、税理士、行政書士等の士業

私たち司法書士を含む士業は、事案によりますが他人の財産を預かったり、本人に代わって手続きを代理・代行するのが仕事です。

成年被後見人になれば、これらの業務を担うことができないため、上記士業の職業就くことはできません。また就任していた場合でも欠格自由に該当し退任することになります。

株式会社の役員(取締役等)や各種法人の理事

役員(取締役)や理事はその法人の業務を執行する人をいいます。

これらの職務については会社法などのこの職業に係る法律で成年後見人が職業につくことを制限しています。また就任していた場合でも欠格自由に該当し退任することになります。

質屋営業の許可、高圧ガス・火薬類の製造、販売の許可、薬局開設の許可

これらは警察署や保健所に申請を提出して許可を得て、職業を営むことになります。

申請段階で、成年被後見人ではないことの証明書の添付が求められますので、成年被後見人となられている方はこれらの許可申立てを行うことができません。

注意点

役員の退任手続について

特によくある注意点として覚えていて欲しいのが、会社役員の成年後見申立てです。

家族会社の場合は、身内の方を非常勤の取締役として、就任させておくことがありますが、その状態で
該当する取締役のために成年後見を利用開始した場合は、役員の退任登記を法務局へ申請しなければいけません。
※後見開始、補佐開始の申立の場合

会社の登記手続きは登記事項(役員等の記載)に変更が生じた日から2週間以内に申請をする必要があります。
申請を怠った場合は、過料という名のいわゆる罰金が発生しますので、十分に注意が必要です。
(過料の金額は裁判所の裁量で100万円以下の範囲です)

また、取締役として、会社の株式を保有している場合もあるかと思います。
このような場合、株主としての議決権行使も本人は行うことができませんので、成年後見人が代わりに議決権を行使することになります(会社法第310条)。

ですが経営判断として、家族以外の専門資格者が成年後見人就任している場合は本人保護のために経営陣とは異なる意見で提案に反対することもあるかと思います。

(例えば既に赤字経営なのに、銀行から融資を受けて資本金を増やそう!といった議決には専門家後見人の意見と他の株主とで意見が割れることもあるでしょう)

予防策

こういった問題を解消する方法の1つに任意後見という制度があります。

任意後見とは将来、自分の判断能力が衰えたときに備えて、自分が元気なうちに将来の支援者(任意後見人)を選任しておく制度のことです。

依頼者様の意思に従ってライフプラン(生活設計)を立てて頂きそれに併せて適切な契約書を作成させて頂きます。

議決権に関する意向を契約書に反映させることも可能です。
自分の経営観や将来のビジョンを任意後見契約にしたためておけば、後見人も原則それに従い議決権を行使することになります。

まとめ

以下に今回のコラムの概要をまとめました。

  • 成年後見制度を利用する事で、本人の職業に制限が発生するので注意が必要
  • 特に会社役員に就任している方の後見制度の利用は慎重に
  • 会社経営者等には、認知症の予防策として任意後見制度をお薦めします

任意後見についてもご興味ある方は是非、弊事務所までお気軽にお問い合わせ下さい。
最後までご精読ありがとうございました。

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ペンチョウ先生
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【将来の夢】暑さに負けない強い身体作り。筋トレをがんばっています。